実務訓練発表会 in nagaokaut 03.02.36
- 1.実務訓練先の概要
- 近藤研究室の鈴木康介です。”ハイブリッドトラックの設計と試作”と題しまして発表いたします。埼玉県
上尾市にある日産ディーゼル工業株式会社で実務訓練を行ってきましたので発表します。日産ディーゼル
は大型商用車両を専門に扱っている企業です。企業実績としては世界ではじめて、スーパーパワー
キャパシタを搭載したハイブリッドトラックを販売しました。さらに、今年1月には、このトラックで
省エネ大賞を受賞しています。
- 2.キャパシタハイブリッドトラックの説明


Fig パラレル方式トラックの構成図
- これがそのキャパシタハイブリッドトラックです(図左上)。このトラックはパラレル方式なので、
モータで発進します。その後、車速に従ってエンジン走行に切り換わっていきます。このトラックは
加減速の多い市街地走行が目的なので、加速などエンジン効率のわるい部分をモータで補うことで燃費や
排ガスの低減を実現しています。
このトラックの最大の特徴は、蓄電池の代わりに図右上のようなキャパシタが搭載されていることです。
理由は、キャパシタが長寿命であることなどがあります。トラックは60万km以上走るので、短命な蓄電池
では耐え切れないのです。
さて、最近のトラックは電子制御が主流で、CANと呼ばれるネットワークも内部に構成されています。この
CANと各部品をつなぐ役割を担っているのがECUとよばれる電子制御ユニットです。今回は、このCANとECU
について実習してきました。
- 3.実習内容

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実習最初の仕事は、CANlogと呼ばれるツールの使い方を確立することでした(図上部に写っている物)。
CANlogとは飛行機のフライトレコーダの役割をトラックで担ってくれるため、トラックの運転状況を
数値的に把握することができるようになる事から、低燃費化、故障発生確率の低減などが可能になります。
実験の結果、トラックで使用できるまでになり、マニュアルを書いてきました。
次に与えられた作業は、HILSの構築でした。HILSとは、Hardware In the Loop Simulationの略で、自分で
ハードウエアを作成し、プログラミングを行い、シミュレーションを行い、その結果実用的なものにする
という一連の作業のことをいいます。今回の実習では、ECUをトラックに載せる前にチェックをするECU
試験装置の作成を目的にHILSを構築しました。(図の下の箱)。今回の実習では、ハードウエア面では、
筐体本体の設計や制御回路の作成を行いました。プログラミング面では、このようなエラーランプ(図左
下の赤ランプ)を取り付けランプの点灯パターンをMATLABでプログラミングしました。実験の結果、ECU
試験装置として動作させることができ、エラーランプの動作も確認することができました。
- 4.感想
- 自分は実務訓練に行く前から電気自動車やハイブリッドシステムなどのこれからの自動車に興味を
持っていました。今回日産ディーゼルに実務訓練に行って自分のやってみたいことができたので大変
よかったと思っています。4ヶ月半とても充実した実務訓練が送れたと思っています。